コラム - ウッドデッキの茶の木

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コラム

インドネシア通信 『ボルネオ鉄木』...の巻き
 
注)筆者は弊社社長が、かつて木材開発をしていた時からの古い友人です。
ウリンの橋 ウリンの桟橋 ウリンの道路
ウリンの橋 ウリンの桟橋 ウリンの道路
上記は東カリマンタンの橋や桟橋、道路。100年以上のものもあります。
ウリン瓦屋根 ウリンの杭 ウリンの上に建つ家
ウリンを薄くし瓦代わりにしています。 建物は朽ちても、ウリンの杭は残っています。 川に沿って建つ家はすべて、土台にウリンを利用してます
ウリンは錆びない
ウリンは上記のように、外観はすり減っても中はしっかりと生きています。
ウリンの桟橋 鉄は錆びるが ウリンは朽ちない
ウリンの桟橋を見ると・・・ 鉄は錆びていますが・・・ ウリンは腐っていません。

  『鉄の意志』、『鉄の男』、...鉄は強いものの代名詞です。そこでお尋ねします。皆さんは鉄と木材のどちらが強いと思われますか?木は腐りますし虫にも喰われますので『木の意思』、『木の男』とは申しません。

ところがボルネオ(カリマンタン)には鉄に勝る木材があるのです。別名『ボルネオ鉄木』と称します。名は鉄木ですが実は鉄より強いのです。その証拠を挙げましょう。この木の代表的な用途として海にせり出す桟橋が挙げられます。海中にこの木を打ち込んで杭にしたうえにこの木の板を敷いて道にします。長年海水と潮風にさらされますとこの木同士を繋いでいる鉄製のボルトやバンドが錆び切れて崩れます。しかしこの木そのものは全く傷んでなく新規ボルトとベルトに差し替えることにより再生させます。これが鉄に勝る証拠です。

昔のボルネオの家は瓦の替わりにこの木を矢型に薄く接いで屋根を葺いたものです。海中に打ち込んでいるのに貝虫も喰わず風雨にさらされるのに腐りもせず...今のインドネシア建築資材の中で一番強いのではないでしょうか。

ボルネオの人々はこの木を使って屋根を葺き橋を作り電柱を立て桟橋を設けて暮らしてきました。社会インフラと言えるものは全てこの木で賄ってきました。この木がなければボルネオの発展はもっともっと遅れていたでしょう。

凄い木です。カリマンタンの民の知恵としてこの凄い木を発見し大事に伐って慈しんで使ってきたのです。無駄使いをせず、『この木ならでは』...の用途にだけ使ってきたのです。そして何度もボルトを入れ替える事により再生利用し続けてきたのです。彼等はこの凄い木を『ウリン』と呼びます。

木材の再生再利用。これこそが化石燃料から大気中に吐き出されてしまった二酸化炭素をもう一度地上に固定して温暖化を防ぐ、今流行の言葉で言えばカーボンシンクの思想です。 カリマンタンの民の知恵はこんなことを声高に叫ばず黙って実行していたのです。伐った木は出来うるだけ長く使う。・・・これこそが温暖化を防ぐ民の知恵なのです。そしてその知恵を具現化してきたのが『ウリン』なのです。

いかがですか?自然のパワーとそれを熟知して生活に使い込むボルネオの民の知恵。日本にも同じようなものがあったはずです。地球を守るのに難しい思想も新しいマテリアルも要りません。ただ、『木を使う』、『木を大事に使う』、『木の温もりを慈しんで末永く使う』これだけで誰もが地球温暖化を防ぐ一翼を担えるのです。

ボルネオの民の知恵は黙ってこれを教えてくれているのです。

30年ぶりに訪れた第二の故郷、東ボルネオのタラカン島で今でも30年前と同じウリンを使用している風景を目の当たりにして嬉しさが込み上げて来ました。桟橋のウリンを手で撫でながら写真に撮る小生の姿に周りの人々は驚いていましたが、小生にとっては『材木屋を生業にして来て間違いはなかった!』と納得できた歓喜の一瞬なのでした。
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